カラー解説 / Color Care Guide
カラーの色落ちが早い原因は?
髪質・シャンプー・熱・ダメージ別に
美容師が解説
「美容室でキレイに染めてもらったのに、1〜2週間で色が落ちてしまう」「いつもカラーの持ちが悪くて、何が原因なのか分からない」──そう感じているなら、あなたの髪に問題があるわけではありません。カラーの色落ちが早い原因は、髪質・シャンプーの種類・熱ダメージ・施術時の薬剤設計など、複数の要因が重なっていることがほとんどです。この記事では、原因を要因別に整理し、それぞれへの具体的な対策まで実務の視点で解説します。読み終えたときには「なぜ自分の色落ちが早いのか」「何を変えれば改善できるか」がはっきり見えているはずです。
カラーの色落ちが早い主な原因を要因別に整理する
カラーの色落ちが早い原因は、大きく「ホームケア側の要因」と「施術側の要因」の2つに分けられます。多くの方がホームケアだけに目を向けますが、実は施術時の薬剤設計も色持ちに大きく影響します。まずホームケア側の主な原因を整理します。
色落ちの速さに影響する主な要因と影響度
原因① シャンプーの洗浄力と頻度
カラーの色落ちが早い最大の原因の一つが、シャンプーの洗浄力です。硫酸系界面活性剤(ラウリル硫酸Na・ラウレス硫酸Naなど)を主成分とするシャンプーは、頭皮の皮脂と同時にカラーの色素も洗い流す力が強く、色落ちを大幅に加速させます。
また、毎日のシャンプーそのものよりも「一回あたりの洗い方・お湯の温度・使う量」が色落ちの速さに影響します。泡立てが不十分な状態でゴシゴシ洗うと、摩擦によるキューティクルの損傷が起きやすく、色素が流れ出やすくなります。
注意ポイント
「毎日シャンプーするから色落ちが早い」という認識だけでは不十分です。週3回でも高洗浄力のシャンプーを熱いお湯で使えば、週5〜6回でも低刺激シャンプーをぬるめのお湯で使う場合より色落ちが早くなることがあります。
原因② お湯の温度が高い
シャワーや洗髪のお湯の温度は、色持ちに直接影響します。高温のお湯(40℃以上)はキューティクルを大きく開かせ、内部に定着している色素が抜け出しやすくなります。
推奨温度は36〜38℃です。「ぬるいかな」と感じるくらいの温度が、色持ちの観点では理想的です。シャワー温度を2〜3℃下げるだけで、色落ちのスピードが体感で変わることは実務の現場でも確認されています。
原因③ 熱ダメージ(アイロン・コテ・ドライヤー)
ヘアアイロンやコテによる高温の熱は、髪内部のタンパク質を変性させ、キューティクルを損傷します。ダメージを受けた髪は色素を保持する力が低下するため、色落ちが早くなります。
180℃以上の高温での使用が習慣化している場合、施術の品質にかかわらず色持ちが短くなりがちです。アイロン・コテは140〜160℃程度を目安にし、熱から守るヘアオイルやプロテクトスプレーを事前に使うことで、色落ちを緩やかにできます。
原因④ 髪のダメージ・多孔性(ポロシティ)
ダメージを受けた髪は「多孔性(ポロシティが高い)」な状態になります。多孔性とは、髪の内部に無数の小さな穴が開いている状態のことです。この状態では、カラーの色素は入りやすいですが、同様に抜けやすくもなります。
ブリーチを繰り返した髪・パーマや縮毛矯正を重ねた髪・熱ダメージが蓄積した髪は、多孔性が高くなりやすく、カラーの色落ちが早い傾向があります。
原因⑤ 髪質(太さ・硬さ)の影響
もともとの髪質も色持ちに影響します。一般的に、細い髪・柔らかい髪は色素が入りやすい一方で抜けやすく、色落ちが早い傾向があります。太く硬い髪はメラニン量が多く脱色に時間がかかりますが、一度定着した色は比較的長持ちする傾向があります。
髪質による色落ちの違いについては、カラー後のシャンプーのタイミングと色落ちを防ぐホームケアでも触れています。あわせて参考にしてください。
「施術側」の要因──薬剤設計と技術が色持ちを左右する
色落ちが早い原因は、ホームケアだけでなく、施術時の薬剤選定・工程設計にも大きく関係します。これを知らないと、どれだけホームケアを頑張っても改善に限界があります。
カラー剤の種類と退色の方向性
カラー剤にはさまざまな種類があり、それぞれ退色のスピードと方向性が異なります。施術直後に鮮やかに発色しても、色が落ちる過程で赤みやオレンジが強く出やすい薬剤もあれば、なめらかに落ち着いた色味へ移行していく薬剤もあります。
市場に出ている主要なカラー剤を12年間にわたって検証してきた経験から言えることは、「染めた直後の色だけを評価基準にしない」ことの重要性です。1ヶ月後・2ヶ月後にどんな状態になっているかまで見据えた薬剤選定が、色持ちの満足度を決定づけます。
退色後に赤み・オレンジが出やすい薬剤
発色は鮮やかだが、色素が抜けるにつれて地毛のフェオメラニン(赤・黄の色素)が表面に出やすくなる。コスト優先で選ばれることが多い。
退色後もなめらかに色味が落ち着く薬剤
退色の方向性まで設計されており、1〜2ヶ月後もくすみやオレンジが出にくい。品質にこだわった薬剤選定が必要。
「コストを抑えた薬剤」で起きていること
美容室によっては、コストの観点から使用する薬剤の品質を限定しているケースがあります。良質なカラー剤は通常より価格が高く、施術コストに影響するため、特に大型チェーンやリーズナブルなサロンでは、一部の施術でコストを抑えた薬剤が使われることがあります。
薬剤の品質差は染めた直後には見えにくく、退色の過程で初めて現れます。「同じ色を頼んでも美容室によって色持ちが違う」という経験がある方は、薬剤の品質差が背景にある可能性があります。
実務メモ
only.では、カラー剤の選定基準として「染めた直後」だけでなく「1ヶ月後の色落ち状態」まで評価軸に入れています。毎月染めても頭皮・髪への負担が少なく、退色後もきれいな状態を保ちやすい薬剤を優先的に使用しています。
施術後のトリートメント・コーティング工程の有無
カラー施術後に行うトリートメント処理や酸熱トリートメントは、ダメージを補修しながらキューティクルを整え、色素が抜けにくい状態をつくります。この工程の有無や品質によっても、その後の色持ちに差が生じます。
施術の工程設計やトリートメントの考え方については、only.のメニューページでも詳しく紹介しています。
ブリーチ後の色落ちは特に早くなる理由
ブリーチ(ライトナー)を使ったカラーは、脱色工程でキューティクルへのダメージが大きく、髪が多孔性になりやすいため、色落ちが特に早くなる傾向があります。
ブリーチ後の色落ちで赤みやオレンジが出る仕組みや、次回カラーをどう設計すべきかについては、ライトナーの色落ちで赤みやオレンジが出る原因と次回カラーの考え方で詳しく解説しています。
色落ちを遅らせるための具体的なホームケア
原因が分かれば、対策は具体的に打てます。ここでは、日常のホームケアで実践できる色落ち対策を、優先度の高いものから整理します。
今日から変えられる5つのケア習慣
- シャンプーをカラーケア用・低刺激(アミノ酸系)に切り替える──洗浄力を下げるだけで色持ちは体感レベルで変わる
- シャワーの温度を36〜38℃のぬるめに設定する──毎日のシャワー温度の習慣化が最もコストゼロで効果的な対策
- カラー施術後48時間はシャンプーを控える──色素の定着が完了するまでの時間を守ることで、初期の色落ちを大幅に抑制
- アイロン・コテの温度を160℃以下に抑え、ヒートプロテクトを使う──熱ダメージの蓄積を防ぎ、多孔性化を抑える
- 目指す色味に合ったカラーシャンプーを週2〜3回使用する──退色を補いながら色味をキープ。放置時間(2〜5分)が効果を左右する
カラーシャンプーの選び方と正しい使い方
カラーシャンプー(ムラシャン・ピンクシャン・ミルクティーシャンプーなど)は、色素を含んだシャンプーで退色を補う役割を持ちます。目指す色味によって選ぶ種類が変わります。
- ムラシャン(紫シャンプー)──黄みを打ち消し、アッシュ・シルバー・ホワイト系の色味を維持
- ピンクシャンプー──ピンク・ラベンダー・レッド系の退色補正
- ミルクティー系シャンプー──ベージュ系・ミルクティー系の色味をキープ
使い方のポイントは「しっかり泡立てて2〜5分放置してから流す」ことです。流すだけでは色素の補充効果が十分に出ません。週2〜3回の使用が色持ち改善の目安です。
トリートメントとアウトバスケアで髪の状態を整える
傷んだ髪(多孔性の高い状態)は色落ちが早いため、髪のダメージ補修そのものが色持ち改善につながります。週1〜2回のヘアマスク・集中トリートメントで、キューティクルを整え色素が抜けにくい状態を維持することが有効です。
アウトバストリートメント(洗い流さないタイプ)は、ドライヤー前に使うことで熱ダメージを軽減しながら乾燥を防ぎます。これも色素の流出を間接的に抑える効果があります。
カウンセリングでは「今お使いのシャンプーは何ですか?」と必ず確認します。良いカラーをしても、ホームケアが髪に合っていなければ色持ちの満足度は下がります。1万5,000人以上の施術を通じて感じるのは、「ホームケアの見直しで色持ちが劇的に改善する方が多い」ということです。
ブリーチなしのカラーで色持ちをよくしたい方は、ブリーチなしでミルクティーベージュを実現する方法と色落ちの考え方もあわせてご覧ください。
only.のカラー施術に対する考え方や薬剤へのこだわりは、only.について・代表のこだわりのページでも紹介しています。
よくある疑問 Q&A
カラーの色落ちが早い原因に関して、実際によく受ける3つの疑問に端的にお答えします。
まとめ
この記事のポイント
- カラーの色落ちが早い主な原因は「シャンプーの洗浄力・お湯の温度・熱ダメージ・髪の多孔性・施術の薬剤設計」の5つ
- 最も影響が大きいのはシャンプーの洗浄力と温度。カラーケア用シャンプー+ぬるめのお湯への切り替えが最初の一手
- カラー施術後48時間はシャンプーを控えると、初期の色落ちを大幅に抑制できる
- アイロン・コテは160℃以下を目安に。熱ダメージの蓄積が多孔性化を引き起こし、色持ちを悪化させる
- カラーシャンプーは色味に合わせて選び、泡立て後2〜5分放置してから流すと効果的
- 施術側の薬剤選定も色持ちに大きく影響する。退色後の状態まで見据えた薬剤を使うサロン選びが重要
- ダメージを補修し多孔性を改善することが、色落ちを根本から遅らせる長期的な対策になる
まずシャワーの温度を36〜38℃に下げることと、シャンプーをカラーケア用に変えることから始めてみてください。この2点だけで色持ちが変わったと感じる方は少なくありません。
Isesaki Hair Salon — ONLY.
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